「A」「A²」 監督:森達也
オウム真理教のドキュメンタリーを見る。1995年と2000年当時の映像。
このドキュメンタリーでは、広報部長だった荒木浩幹部に集中的にカメラを向けて、内部から淡々と報道の様子やオウムの人たちの姿を撮っている。
テレビで見る彼等は、いつも前もって決められたような台詞を硬直した様子で読んでいて、本当に起こった事件を理解しているのかと不安さえ覚えたが、このフィルムの中では、やはりというか、みんな人間だった。
それぞれが自分の立場をなんとか確立しようとしつつ、生活しようとしていた。
対立して反対運動をしている人たちが何百人もいる一方、毎日見張っているうちに人間として信者と仲良くなり、別れに涙ぐむ人たちも映っていた。
やっぱり、結局何があっても時間は過ぎるし、あったことをなしにすることはできないんだけど、それでも生きている間は生きていかねばならないんだなぁ、そして、出来ればどこかで理解し合えることが出来ればいいのに、と思う。
それと、マスコミや警察などの対応も赤裸々に映っていて、それはやはりニュースでは流れなかった部分で、大変に興味深かった。