子供の頃に読んだ本

昨日NHKトップランナーという番組に、FMVのキムタクと岸部一徳が出てるコマーシャルのクリエーターの多田琢という人が出ていた。
http://www.nhk.or.jp/tr/

話も面白かったけど、その中でゲストが勝手にカテゴリーを選んでベスト5を公開というコーナーがあって、彼の場合は子供の頃に読んだ好きな本(かなんかそんなの)を公開。やっぱり不思議なテイストの本が多かったみたい。一位は座敷童がでてきてごめんねって言わせようとする「ごめんねぼっこ」二位は「ぴかぴかのぎろちょん」。
私も変な話が好きだったけど、どちらも読んだこと無いなぁ。

私が好きだったのは、というか一番強烈に覚えているのは、ぽっぺん先生シリーズですね。「ぽっぺん先生と帰らずの沼」とか。

ぽっぺん先生競歩が趣味の大学の講師で、お母さんと二人暮しなんだけど、ぼーっとしてるのにいつの間にか大問題に巻き込まれてのっぴきなら無い状況に追い込まれちゃう。帰らずの沼も、知らない内に虫かきのこかなんかになっちゃって、次々に食べられてはその生物に意識が移行する。人間に戻れるのかもわからない。言ってみれば、カフカの変身みたいに、もうどうしようもないんだけどどうしようもないままにどうにかしなけりゃいけないという不安いっぱいの中で話が進むわけで。

普通のファンタジーは、魔法だとか導く人だとか、どこかに救いの伏線が張られていてそれを判っていながら楽しむんだけど、これは本当にどうなるか判らなくて、底なしの不安感にかなり手に汗にぎってましたねー。

あとは、今考えると安部公房の小説が下敷きだったかあるいは彼の書いた児童文学かもしれないけど、友達が知らない内に減って行ってて実は水棲人間に改造されていたという話。最後に話す時には友達には鰓が出来ていて、空気がもれるのでもうすぐ話は出来なくなる、なんて会話を交わす。今考えてもすごい話やなー。何ていう題だったんだろう。

もう一つ題名が思い出せないけど、先生がイチョウになる話。先生は化け物だってみんなに言ってまわるんだけど誰も信じてもらえない主人公がいて、先生は怪しい行動を繰り返すんだけど、ある日イチョウになっててそれなのに誰もいなくなったことに気付かないみたいな。変な話。

まとめてみると、異次元にトリップしてしまうような話が好きだったのねきっと。

もう1度読んで見たいなぁ。