ラストサムライを観た

遅ればせながら、ビデオで観ました。ラストサムライ

ハリウッドムービーだしなぁと思って実はちょっと敬遠してたけど、かなり良かったぞ!(だってタイタニックなんて途中何度か早回ししたし)
とりあえず、白兵戦のシーンが今まで観たどの日本映画より外国映画よりも迫力があったように思う。一番痛そうで何回も目を背けそうになった。ひっくり返り方も半端じゃないし、やっぱりトムが日本人の中では大柄だからか、槍を持って相手を振り回すとか、体当たりで突き飛ばすみたいなシーンも多くてすごかった。

あと、馬もごろごろ倒れてたけど、解説によるとこれってすごいことらしくて、イギリスの馬訓練のトップが9か月かけて調教したとのこと。9か月ですよ。はぁあ。

そりゃ、日本の森にシダとかはそんなに無いよ、椰子は生えてないよ、とか、ちょんまげに月代ないんですけどとか、いやそこはバンダナでなくてはちまきですとか、小雪さんその頭は前から見たシルエットは合ってなくもないけど、後ろおかしいですとか、細かいことはあるけど、侍時代に詳しくない私にはほとんど許容範囲でした。ほんとに日本文化とかを一生懸命リサーチしてるのが見受けられます。

渡辺謙さんは気迫の一言。感情的に同化出来る程は激しく気持ちを表してないのに、いろんな表情や目の動きや動作が心に残る。すごい役者さんやなぁ。

小雪は相変わらず美しい!そしてこの人も、ほんのちょっと眉をひそめたり、動作の前に一瞬止まったりするだけで、空気を作れるひとなんじゃないかと思う。

真田裕之さんは怖かったー。トムをこれでもかと木刀でしばいたり。顔つきがまず怖いし。トムとキャラがかぶるからってかなり大幅に出番がカットされたとの噂を聞いた。美しい人でもあるのでまさに残念。ちなみにすごい勢いで雨の中でぼこぼこにされるシーンは、全部真田さんの寸止めを受けてトムが演技してるとのこと。す、すごい。さすがJAC

あと、勝元の息子役は役者じゃないけど武道を修めてる人とのことで、矢を射る姿がオーランド・ブルームより全然かっこ良かったー。

勝元の息子も含めて、子役はかなり良かった。みんな表情とかすごい愛らしいし。

にしても、トム・クルーズはがんばってらっしゃいました。アクションシーンはどれもリアルで、木刀での試合もすごく自然やった。日本語の発音もすごくよくって。「やっちまいなー」とはかなりレベルが違ってます。もちろん、スタントだとか、殺陣だとか、日本語指導なんかにかけているお金も半端じゃないんだろうなと思う。もちろん本人達の努力も。(そして、福本清三さんがいっぱい出てらして、良かったですねーと思いました。なんかたたずまいがもうほんとに侍です。)

でも何がすごかったかって、実はエンドロールもむちゃくちゃ長くって。とりあえず出演者の下に、スタント、騎乗スタント、戦場の死体とか役者の名前が延々と流れ、カメラもA,B,C,Dとなんか他のカメラがあって、それぞれの担当カメラマン、それのアシスタント、セコンドアシスタント、セコンドアシスタントのアシスタントとか、救急室、ナース、とかメークもいろんな種類、会計に進行にコンテを描くアーティスト、殺陣指導、乗馬指導、スタント指導、その他色々指導、の下に特殊メイク、衣装デザイン、衣装制作とか続いて、もう終わるかと思ったら次は特殊効果、アクションセットといった具合で見ても見ても終わりませんでした。映画なんて、普通にエーっていうぐらいたくさんの人が関わっているのは普通だけど、それにしてもこんなにもたくさんの人がこの映画を作るために関わったんだなと思うと、それだけでも感動。

いろんなことが本当にリアルで、日本人としてもかなり納得のいく映画というのも実は驚きだった。監督とかプロデューサーによってはハリウッドもこんな繊細な仕事が出来るのね、と素直に感動したのでした。

最後の方とか、ハッピーエンドで終わっちゃうのとかは、ちょっと腑に落ちんかったけど、まあハリウッド映画だからしょうがないか。