ビジターQ

知り合いの人に、「カタクリ家の幸福」がむっちゃ面白いと言われレンタルしたら、ブラックな感じが好きではあったが大笑いする程でなくて私にはちとつらく(彼女には爆笑ポイント多々あり、三回観たらしい)、うーんと思いながら一緒に借りた同じ監督(三池崇)の「ビジターQ」を観る。

何かが破壊されてしまった気分。

話は、人間関係の崩壊がかなり進んでしまっている家族(家庭内暴力、援交、なんて序の口)のところに身元不明の男がやってきて、結果的に極限まで崩壊を押し進めてしまって、そこで家族がみんな幸せになると言う話。

またまた同じ監督の「殺し屋1」はあまりに痛いシーンばかりで、それを観たときも何かが壊れた気分だったんだけど、この「ビジターQ」ではそういう表面的なものよりもっと奥の、人間として持ってる常識とかよりどころとかそういうところを全て一度破壊されてしまった気分。社会的には存在出来ないようなところで登場人物は幸せになってしまって、私は絶対にいややし吐きそうやったけど、キャラの幸せ感はそうかもしれないと思えるものをかもし出していて、更に混乱させられて怖かった。

今思うに、きっと全然感情移入出来ないにも関わらずキャラクターに説得力があったからでしょうか...。あったのかなぁ...。

観た後、ほんとにしばらくぐったりしていた。しかしそんな体験をさせてしまうということが、ある意味かなりすごい。と思うよ。

すごいなー。