〈宇宙人類始まって以来初めての動き〉を観る

アイホールダンスコレクションvol.39
笠井叡ダンスワークショップ&パフォーマンス
『宇宙人類はじまって以来初めての動き
〜振付というコンセプトを振付ける〜』

マイミクのYangjahのお誘いを受け、伊丹アイホールにてダンスを観る。

Yangjahとは今年始まったばかりの時に、偶然からお友達になり、しかもまだ一回しか会っていないので、ダンサーさんとは伺ってましたがまだ踊ってるところは見た事がなく、で今回は彼女も参加しているワークショップとパフォーマンスだというので、半分ワクワク半分どんななんだろうと思いながら伊丹へ向かいました。

笠井さんという事なので、んじゃ舞踏かなーぐらいの認識で会場へ。白塗りで頭を白いきれで包み白いスカートやワンピースの人たちが、4列ぐらいのひな壇の座席にぐるっと囲まれた、25メートルプールをちょっと大きくしたぐらい?の舞台の廻りにそろそろと現れ、いよいよかなと思った瞬間大音量でテクノが流れ始めたのでした。そしてみんな走る走る。跳ぶ跳ぶ。

とりあえず息も着かせぬ勢いで、すごい勢いで動き回る人たち15人。最初は唖然としてたんですが、どんどん展開して行く動きとかそこで渦巻いているエネルギーとかに圧倒されてぐんぐん引き込まれて行きました。振り付けの動きもいろんなスタイルが混ざっている様に見えた。バレエ的な物やいわゆるモダンダンスを思わせるような動きと、それをぐちゃぐちゃにして何かが出て来るような動きが一緒になり、しかもそれぞれが振り付けよりもダンサー同士やダンサーと空間の関係性とかに重点を置いて踊っているように見えて、それがとてもスリリングでむき出しな感じでよかった。もう本当に指の先だとかがエネルギーを受けてびりびりしてました。

あと、それぞれに様々なダンスのバックグラウンドを持ってるんだろうなと思わせるダンサー達が、独自のやり方で同じ振り付けを解釈して踊ってるんだろうなぁと思われる群舞なども、圧巻でした。暗黒な人もモダンな人も、みんなでチャイコフスキーの「瀕死の白鳥」に合わせて踊ったりするところなんか、ぞくーっときました。むっちゃ良かった。

群舞の合間合間にはそれぞれのソロもあって、そこでは自分の踊りが全開でそこもまた面白かった。ずっと歩き回って人さし指を振って説教している人や、もしかしてこれまであまり踊ったことないですかという人が、必死で踊っているんだけど重力に引きずられてしまうところがすごくリアルで良かったり、かと思うと羽衣みたいに風を受けている人や、なんだか違う生物になっている人なんかもいました。男の人が一人いたんですが、よく見ると筋肉質のごつい体なんだけどすごくしなやかに動くので最初判らなかった。びっくり。

ところで、私は観るのは好きではあるけどあんまり踊りは詳しくないのですが、いいダンサーさんというのは、指からビームが出てて体に空気をまとって踊る人だと思います。(あまりにも主観的な表現ですけど(笑)

んで、Yangjahはそんなダンサーさんでした。

Yangjahのソロは、なんだろう、自分の体を踊ってた、様に感じたかな。こぼれそうでこぼれない何か、みたいな。体の中の水がもうちょっとでこぼれそうになると思ったら、反対側に傾いてるみたいな印象。

いやあ、しかしおもしろい物を観る事ができた。人数が多いというのもあるかもしれないけど、すごいパワーを感じました。またよんでねー。